フィリピンプレビルド物件購入時のリスク・実際の事故
日本では禁止されている不動産の販売方法であるプレビルド物件。日本の新築とは異なり「まだ建設がされていない状態」で購入できる物件のことを指します。
日本にて頻繁に行われているフィリピン不動産セミナーで紹介されている物件のほとんどは、プレビルド物件です。おそらく業者からすると都合がよい点がある為です。それが、実際の建物はまだ完成していない為、絵に描いた餅の状態で販売することができる点が業者にとり手間がかからず効率的に販売することが可能です。プレビルド物件の販売は、大体物件が竣工する4年前から販売が開始されます。投資目的で購入されている方の狙いは、主に建設前に購入し建設が完了した時点で売却を考える「物件価格の値上がり(キャピタルゲイン)」です。
確かに10年前にフィリピンの主要都市、マニラ、セブなどの地域のプレビルド物件を購入していれば、確実な値上がりを享受できていました。しかし昨今、2016年にフィリピン不動産市場に大量の部屋数が供給されました。なぜ大量の部屋数が共有されたのか?それは2012年頃が特に建設ラッシュが激化、そしてちょうどそれから4年後の2016年頃に竣工ラッシュ(コンドミニアムが完成した)が起きた為です。フィリピンは安定的に人口が伸び、人口動態も非常にきれいなピラミッド型となっている為(日本は高齢者が多くなる逆三角形型)、物件の需要も上がってはいます。ただ述べた2016年は不動産供給の速度が需要を上回りました。その為、当初、キャピタルゲインを期待し購入した投資家は、物件は竣工したが、希望の売価にて売れないケースが出てきています。それもそのはず、多くの人が同様の期待を懐いた末、飽和状態になるのは世の常です。
しかしフィリピンの不動産価格はデータ的には年々上昇は確実にしています。ただ現地に身を置き、日々物件に触れ、実感として感じるのが、だぶついている、という印象です。こういったフィリピン不動産の状況下な為、安易に伸びている新興国だからと理由のみで、闇雲に不動産を購入するのは大変危険です(実際に困っていらっしゃる方から多くお問合わせ頂戴しております。)自身の目的を明確にし、その目的を達成できる物件を厳選し購入していく事が重要になる、と弊社では考えています。
そもそも論になりますがプレビルド物件は、本来既存物件よりも大幅に安価なことが魅力なわけです。しかし昨今のプレビルド物件は、既存物件との価格差(平米単価)に大きな差がなくなってきています。つまり、プレビルド物件の旨味が明らかに減っているのです。日本で行われているセミナーでは、そういった現地の実情をあまり知らされていません。確固たる根拠なしに期待感のみで購入する手法は、ギャンブルと変わりません。現状は、基本的にプレビルド物件を購入したからといって「ドカンと大きなキャピタルゲインで一発大儲け」という市場ではない、ということは念頭におかれることが賢明です。
とはいっても、確実に今後人口減少し、不動産価格がジリ貧な日本よりは、ドカンとした値上がりの享受は難しいですが、安定的にキャピタルゲインを享受できるのは確かです。そしてキャピタルゲインに加え、手堅く家賃収入(インカムゲイン)を見据え投資していくのが何より優位性がある手法になります。そこで何より重要になるのが、しっかりと家賃収入を得る為に、信頼に足る管理会社とオーナー様の間で信頼関係が結べている事が鍵になります。とかく日本人の方は日本にしっかりとオフィスを構えていることに安心を感じる方がいますが、現場は日本ではなく現地フィリピンです。いかに現実的な機動力を持っているのか、ご判断するのは非常に重要です。この部分は非常に重要な点ですので、また別の機会にご説明差し上げます。
それで話しを戻しますが、プレビルド物件は購入のしすさが何より大きな魅力です。購入する場合も、竣工するまで銀行からのローンとは異なりますが、不動産開発会社に分割支払いにて積立てするような支払い方法が可能です。日本ですと不動産を購入する、となった場合、ローンで購入するのが至極当たり前の話しなのですが、実はフィリピンでのリセール物件売買の場合、一括払いにて売買がすぐに完結しているのが一般的となっています。
さて続いて、プレビルド物件を購入する場合の注意点をお伝えしてまいります。この点を怠ると痛い目に遭いますので注意が必要です。
不動産物件の支払い方法での事故
まずプレビルド物件の支払いの流れは下記になります。
1.物件購入時
プレビルド物件の購入を決めた場合、その時に売買契約を締結し、予約金を支払います。
2.物件購入から物件完成時まで
取り決めた売買契約の内容に基づき、支払いをおこなっていきます。(毎月の支払いであれば毎月支払いを行う)
3.物件が完成した時
物件が完成時、残額の全額を完済します。
[事故1] 完成時の全額支払いができない・・・
上記の図では「3.残金全額お支払い」で実行できなかったケースです。
プレビルド物件は初期費用を抑え、分割で購入できる為、購入後の支払い計画を甘く考えがちです。
仮に残金を支払えなかった場合、これまでに支払った物件の料金(予約金、毎月支払済みの金額)はデベロッパー側に没収という形になってしまいます。実はプレビルド物件購入された方の実に10%強は途中で支払いが滞ってしまっていると、とあるデベロッパーの内部の人間よりこっそり教えてくれたのですが、この数字には驚きます。資金経験は当然最重要ですので、途中まで支払っていたお金をドブに捨てないように他人事だと思わず、望まれるのが賢明です。
悲惨な事態を回避する為の「対策」です。
【対策】
あくまで余裕資金にて行い、臨時収入を支払いの計画に含めない。
[事故2] 熱が冷めた。
物件購入時は、物件に魅力を感じた、あるいは優位性を感じたので購入する決断に至ったと思うのですが、長期に渡り毎月の支払いを続けているうちに、他の物件や他の投資商品への関心が上回り、物件に対するモチベーションが下がり、物件購入を途中断念したケースです。上記図で「2.毎月お支払い」に当たる時期です。
[事故1]の同様に支払い済みのお金は全てデベロッパーに没収される形になってしまいますので
遠隔だから、という理由もあるかもしれませんが、こちらも非常にもったいないですので避けるべきです。
【対策】
長期の支払い計画に加え、中期・短期的で実際に購入した物件の建設の進捗情報を定期的に確認する。不動産投資は、気長に行う心に徹する。
[事故3] 完成後の管理が・・・
実際に物件完成後にあったトラブルなのですが、無事、物件完成したが、当初予定していた日本と同じような物件のマネジメントがうまくいかなかった。。
具体的に、購入した物件の現地のことを詳しく知らずに不動産仲介会社に勧められるがままに物件を購入し、物件完成後、テナント探しはおろか、諸々の共益費など数ヶ月に及び滞っていたことが後になって発覚したケースです。
残念な事ですが悪徳な不動産業者に「この物件は必ず値上がりしますよ」という謳い文句のみを信じ購入され、困っている方が驚くほど多くいるのが現状です。
無論、「必ず値上がりする物件」というものはありません。。
また物件完成後、購入前に不動産開発業者から見せられた完成予想図と、かけ離れたものになってしまっているケースも実際に発生しています。日本ではこんな事はあまりないのかもしれませんが、ここはフィリピンですので、念には念を入れて、ということですと、既に完成済みの物件の中からお値打ち物件を狙った方法が得策です。
【対策】
ブランドネーム、規模だけで判断せず、実際に現地を見て、信頼に足る管理会社か見定め、そして、しっかりと管理会社とコミュケーションをとり、定期的に管理状況を把握しておく。
以上、プレビルド物件を購入するときの注意点と実際にあった事故についてご紹介致しました。
これは本当にあった話しですので少しでも参考になれば幸いです。
弊社リモンズでは、悪い事、良い事、正直に全てお伝えし、あくまで長期的に良好の関係を築かせて頂くことに主眼をおいております。
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