中国との変わりつつある関係。中国の地方フィリピン?
フィリピンと中国・南シナ海の抗争
最近、世界中で中国の話題がメディアから見ない日はありません。
アメリカとの貿易戦争、北京の都市開発の賛否、5Gの開発、さらには習近平氏のポスターに墨を塗った動画をソーシャルメディアに投稿した女性のSNSアカウント、動画が全て消され、行方不明となってしまった事件などなど。
フィリピン関連ですと、中国との国際関係で、フィリピンでのメディアが騒がしくなってきています。
6月中旬にはQuezon City (ケゾン市)に “WELCOME TO THE PHILIPPINES PROVINCE OF CHINA(中国の地方、フィリピンへようこそ)” という幕が貼られていたことがニュースになり、物議を醸しました。
そして今、南シナ海を巡り、両国の関係が注目を集めています。
フィリピン国内で行われた調査では80%を超える人々は今回、中国が自国の領海に立ち入ってきたことに不満を持っているということがわかりました。
この事件を説明するにはフィリピンの歴史を軽く見る必要があります。
長年アメリカの占領下に置かれていたフィリピンでは、独立後も親アメリカ政権のもと、中国と親密な関係になることを避けてきた歴史がありました。
そのような関係に終止符を打とうとしたのが、かの有名な現大統領ドゥテルテ氏です。
彼は、今までの政権の方針から一転、4月に中国と親密な関係になるように、南シナ海の資源、つまりオイルの分配を中国の要求になるべく近づける形で外交を進めてきました。
しかし、国民の期待とは一転、中国のフィリピンの領海への侵入、さらにナショナリズムを煽るようなWELCOME TO THE PHILIPPINES PROVINCE OF CHINA(中国の地方、フィリピンへようこそ)の横断幕の事件もあり、両国の関係は悪化していってしまいました。
中国は、フィリピンでは、3位の貿易相手国でもあり、今後を左右しうる国なのは間違いありません。さらにフィリピン国内の在留外国人を見ると、在比中国人の割合はアメリカ人につぎ、二番目に大きく、両国の関係は複雑です。
今後の両国の動向に注目が集まります。