数字で見る!フィリピンの渋滞は経済成長のカギ??
こんにちは。インターン生の蓮池です。
私がフィリピンに来て1ヶ月が経とうとしていますが、初めてこの土地に降り立ち、
印象に残ったことは渋滞でした。
ものすごい量の車とクラクションの音で圧倒されたことを今でも覚えています。
さて、アジアの中でも経済成長が世界的に注目されているフィリピンですが、人や物を運ぶための交通網の発展は経済成長の発展にかかせない要素と言えるでしょう。交通網を含めたインフラが整備されれば、経済も発展し、さらに不動産への投資に加速がかかっていくと感じます。
今回は、フィリピンの交通についての現状とこれからをご紹介いたします。
マニラの渋滞は最悪!?
Waze(渋滞情報をコミュニティでシェアできる 世界最大のカーナビアプリ)が5000万人のユーザーを対象に32の国と167の主要都市で渋滞についての調査を下記6点の指標で行いました。
1.渋滞の程度と頻度
2.道路のクオリティとインフラ
3.ドライバーの安全性
4.駐車場とガソリンスタンド
5.社会経済的観点(車の入手や燃料代)
6.Waze利用者たちの満足度
その結果、マニラは不名誉ながら「Worst Traffic on Earth」という称号を獲得しました。
CNN PHILIPPINESより
特に渋滞に関しての評価は最低でしたが、駐車場とガソリンスタンドについては最高評価でした。(確かに色んなところで見かけます)
渋滞の原因
①車やバイクが多い
バイクの登録台数がマニラ首都圏だけで国全体の27%を占めていて、2015年現在は250万台まで膨れ上がっています。
②自家用車で移動する人が多い
FAQ.phより
首都圏を移動する人の69%が公共交通機関を利用しているのに対して、道路を走っている車の22%が公共交通機関、78%が自家用車となっています
③道路が少ない
FAQ.phより
マニラの道路の長さが国全体の0.3%となっています
④人が多い
フィリピンの国土面積の0.21%に当たるメトロマニラにフィリピンの人口の12%が暮らしていて、人口密度は42,857人/㎢となっています。
つまり、人口が多いにもかかわらず、道路が整備されておらず、公共交通機関の少ないというのが現状です。しかし、それだけの人口がいるのであれば、交通網を整備すれば人や物の動きが活発になり、経済成長につながると言ってもよいのではないでしょうか。これはチャンスなのかもしれません。一方、車から発生する排気ガスが空気汚染の85% を占めているとも言われており、こちらの対策も同時に進めていってほしいと思います。
政府の対応
アキノ政権はこれまでに官民パートナーシップ(PPP)による2兆7千億円ほどの事業を承認しています。そして、さらに今年9月に行われたNational Economic and Development Authority board meetingにて、アキノ大統領は5つのインフラのプロジェクトを承認し、インフラ整備に力を注いでいます。
①クラーク国際空港のターミナルの建設
新ターミナルを建設予定。年間3百万人の利用者を見込んでいる
②ナガ空港の増設
新施設と空港を増設予定。
③LRT(Light Rail Transit)4の建設
SM City Taytayとintersection of Ortigas Avenue and EDSAを結ぶ11kmの鉄道
④LRT(Light Rail Transit)6の建設
Niyog, BacoorとDasmarinas City in Caviteを結ぶ19kmの鉄道
⑤持続可能エネルギーの利用
10万世帯の電気を賄えるほどのソーラーパワーシステムを建設
このように、様々な計画が進行中ですが、PPPによる事業は実際に工事にこぎつけたのは数件にとどまっているそうです。
今回の承認された事業も含め、計画が実施されるかどうか、しっかり注目していきたいと思います。
ちなみに、2016年5月の大統領選がありますが、有力候補のポー氏も当然インフラにかける金額について、GDPの 4%から7%に引き上げるという誓約を出しております。(ほぼ倍の数値!)
是非、こういった計画が実現され、フィリピンが今よりも発展してほしいと思います。
がんばれ、フィリピン!