フィリピン現地 '生' 情報発信

日本より高い!?フィリピンの電力事情

フィリピンにしばらく住んで、電気料金の高さに驚く人も少なくないと思います。
その背景には電力供給の仕組みそしてマランパヤ発電所の稼働停止が大きく関わっています。
今回は様々な視点を利用してフィリピンの電力事情解明に迫りたいと思います。

高額な電気料金の裏側

電力供給のしくみ

Meralco
*メラルコホームページより

フィリピンの電力会社「メラルコ」は様々な発電所からもらってる電力を利用し運営しています。
例えばフィリピンの財閥の1つ「サンミゲルコーポレーション」はその供給者の中でも大きな割合を占めています。これらの会社はまた更に幾つかの発電所を所有しており、これらの独立した小さな発電所をIPPと呼んでいます。フィリピン政府のこのような電力会社の民営化の背景には電力供給の安定性と確保があります。これらIPPが発電している電気は最終的最終的国が管理している発電所”ナポコ”ー”という発電所に行き届きます。このナポコーが集めた電力がメラルコから一般市民へと供給されます。

他国との比較

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実にフィリピンの電気料金の50%から60%はこの電力の”移動”にかかる費用となっています。またマレーシアやタイなどと違ってフィリピンの電気料金は国からの助成金によってカバーされていません。フィリピンではむしろ”バット”VATと呼ばれる消費税により高額になっています。フィリピンはASEAN10ヶ国の中でも消費税である”バット”が最も高い国なのです。また同じくフィリピンの所得税もASEANの中で一番高いです。
マニラの大手新聞社によると、フィリピンの電気料金は世界で5番目に高いそうです。その価格は日本、アメリカそしてシンガポールよりも高いのです。その為外資系企業はフィリピン国内で工場やビジネスを展開しようとしません。フィリピンで販売されているシャンプーなどのほとんどがタイ産やインドネシア産です。タイの電気料金の価格はフィリピンの半分、インドネシアではフィリピンの5分の1の価格となっています。フィリピンの電気料金が高額なため中国で工場を建てるフィリピンのビジネスマンもいらっしゃいます。

マランパヤ発電所

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マランパヤ発電所はフィリピンで一番大きな島、ルソン島の電力需要の半分を賄っています。またマランパヤ発電所は最近政治騒動などでフィリピン人たちの注目を集めています。
マランパヤ発電所の一時的な運行停止は電気料金の値上げに大きな要因となっています。メディアによるとメンテナンスの関係で一時的に稼働を停止したそうです。このメンテナンスの時期と重なり、フィリピンではエルニーニョ現象なども4月あたりに発生する事から電気料金が上がったと見られます。その上がりように日本人も驚かれます。その為夏には特に節電対策を行うように心がけましょう。

政府の取り組み

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電気料金節約の為にフィリピン政府は最近前払い式の電気料金制度を導入しました。電気メーターの横にスマートメーターと呼ばれるものを設置し、メラルコが認定するロード販売者からロード(100、200、300、500そして1000ペソから)を購入し登録すればすぐに利用できます。この前払い式のシステムは現在マニラなどの限られた地域にしか導入されておらず、今後はもっと色んな地域に広める予定です。この制度により住人たちは電力の使用を徹底的に管理する事が可能になり、生計をたてる時にも大変役立っているようです。このようにフィリピン政府は電力需要の増加とそれに伴う電力供給の安定性への不安に応える為に、幾つかの取り組みを実施しています。

フィリピンでは最近、電気料金のお支払いがコンビニなどでも可能となりました。電気代以外にも水道代、保険のお支払い、電話代などもセブンイレブンでお支払い可能となりました。ご近所のセブンイレブンではお支払い可能かどうか確認してみてはいかがでしょうか?

メトロマニラでお支払い可能セブンイレブンの支店
(セブンイレブンHPより)

フィリピンの電気料金の高さは日本のものを越えており、現地に来て驚かれる方も多々いらっしゃるのが現状です。この記事を読んでいただける事により少しでもフィリピンの電力事情を皆さまにご理解頂ければと思います。

次回もどうぞよろしくお願いします。